医療広告ガイドラインをやさしく解説|クリニック・病院のホームページ写真で注意したい4つのポイント

白衣の日本人女性医師がタブレットでホームページ写真を確認。記事タイトル「医療広告ガイドラインをやさしく解説」が大きく表示されたサムネイル画像。
コーポレート撮影カメラマン 江藤耕治
こんにちは、アナタテラスの江藤です!以前の記事で「病院・クリニックのホームページは医療広告ガイドラインの対象になる場合がある」と少しだけ触れましたが、今日はそこをもう少し掘り下げてお話しします。
僕自身は法律の専門家ではないので、判断が必要な部分は厚生労働省の公式情報や専門家への確認をおすすめしつつ、カメラマンとして知っておきたい・お伝えしておきたいポイントをまとめました。
この記事のまとめ

クリニックや病院のホームページ・SNSに写真を掲載するとき、意外と見落とされがちなのが「医療広告ガイドライン」との関係です。本記事では、医療広告ガイドラインがなぜ写真にも関係するのか、写真表現で特に気をつけたい4つのポイント、判断に迷ったときの考え方、そして撮影段階でカメラマンとしてできる工夫を、出張専門カメラマンの立場からまとめます。本記事は一般的な情報のご紹介であり、法的な助言ではありません。個別の判断は、厚生労働省の医療広告ガイドラインや自治体の窓口、専門家にご確認ください。

1. 医療広告ガイドラインとは?なぜ写真にも関係するのか

クリニックの待合室で撮影準備をしている様子

医療広告ガイドラインは、厚生労働省が医療機関の広告について定めているルールです。もともとはチラシや看板などが中心でしたが、現在はクリニック・病院のホームページやSNSも対象に含まれる場合があるとされています。「うちは広告を出していないから関係ない」と思われがちですが、ホームページ自体が広告とみなされるケースがあるという点は、広報・Web担当者の方にぜひ知っておいていただきたいポイントです。理由を3つに分けて見ていきましょう。(詳しい定義や最新情報は、厚生労働省の公式サイトでご確認ください)

🖼️

写真は「実物の印象」を伝える情報のひとつ

文章だけでなく、写真も広告表現の一部として見られる場合があります。

✔ 実物に近い写真だと
  • 来院した患者様が「ホームページと同じ雰囲気だ」と安心できる。
  • 後から表現について指摘を受けるリスクを減らせる。
× 実物と印象が離れていると
  • 来院時に「思っていたのと違う」というギャップにつながることがある。
  • 表現によっては、誇大広告として指摘の対象になり得るとされています。
江藤耕治
「綺麗に見せたい」という気持ちはとてもよく分かりますし、僕もカメラマンとしてできる限り良い写真をお渡ししたいと思っています。ただ、実物とかけ離れた見せ方にならないよう、バランスを意識することが大切だと感じています。
🙋

写真に写る患者様への配慮も欠かせない

院内風景やスタッフ写真には、患者様が意図せず写り込んでしまうこともあります。

✔ 事前に配慮できていると
  • 患者様のプライバシーを守りながら、安心して撮影を進められる。
  • 体験談・お写真の掲載についても、同意のプロセスを整理しやすい。
× 配慮が足りないと
  • 患者様の個人情報や表情が意図せず写り込んでしまう。
  • 公開後に削除・差し替えの対応が必要になることがある。
江藤耕治
僕が患者様が居る診療時間内での撮影をお勧めしない理由の一つです。撮影時は「問題ない」と院長は仰っても、撮影後に「写り込みの許可は取っていなかったのでこの写真は使えないとデザイン会社に言われてしまった…。」となるケースが過去に数回ありました。今はレタッチやAIでなんとかなるケースも多いですが、基本的にはトラブルの元は最初から避けるべきです。

2. 写真表現で特に気をつけたい4つのポイント

自然な写真の仕上がりを確認している様子

ここからは、ホームページ制作やSNS運用でよく出てくる「写真の使い方」について、特に気をつけたい4つのポイントをまとめます。あくまで一般的な考え方のご紹介であり、個別の判断は公的な情報源でのご確認をおすすめします。

  • ① 誇大な加工・演出は避ける

    院内を実際より広く、明るく、綺麗に見せすぎる加工は、実物とのギャップを生む原因になります。明るさや色味の自然な補正の範囲にとどめ、実物と大きく変わらない見え方にすることが、患者様との信頼関係にもつながります。

  • ② 比較優良を連想させる構図・コピーの組み合わせ

    写真そのものに問題がなくても、「地域No.1」「一番選ばれている」といったキャッチコピーと組み合わせることで、比較優良広告として扱われる場合があるとされています。写真とテキストは、公開前にセットで確認するのがおすすめです。

  • ③ ビフォーアフター写真は特に慎重に

    自由診療などで使われるビフォーアフター写真は、誤認を防ぐための詳しい説明(治療内容・費用・リスクなど)が必要とされる場合があります。「見せ方」だけでなく「伝え方」もセットで検討する必要がある、特に注意が必要な表現です。

    江藤耕治
    ビフォーアフター写真については、撮影の条件(角度・光・タイミング)を揃えるだけでも、誤解を招きにくい見せ方に近づけます。掲載する・しないの判断は、院内での方針とあわせてご検討ください。
  • ④ 患者様が写り込む写真は同意を得てから使う

    基本的には診療時間外や休診日に撮影をすべきですが、どうしても診療時間内に撮影をするしかない場合は、事前に患者様に撮影及び写真掲載の同意を得ておくことが大切です。体験談やお写真をホームページに掲載する場合も、同様の配慮が必要です。

写真表現チェックの目安

表現気をつけたい理由目安
過度な加工・演出実物との印象のギャップ◎ 自然な補正までに
比較優良を連想する表現誤解を招く可能性◎ 事実ベースで見せる
ビフォーアフター写真誤認防止の説明義務◎ 掲載方針を院内で検討
患者様の写り込みプライバシー・個人情報◎ 事前に同意を得る
院内の雰囲気カットとくに規制されていない場合が多い◯ 通常どおり活用しやすい

3. 「言っていいこと」「言い切れないこと」の考え方

レタッチの範囲を確認している様子

撮影のご相談でよくいただく2つの質問について、僕なりの考え方をお伝えします。最終的な判断は、公的な情報源や専門家にご確認いただくことをおすすめします。

  • Q. 明るさやトーンを調整するレタッチは全部NGなの?

    A. 一般的な明るさ・色味の補正までは問題にならないことが多いとされていますが、線引きは表現の内容やケースによって変わります。「実物と大きく変わらないか」を基準に考えると判断しやすくなります。不安な場合は、厚生労働省の医療広告ガイドラインや、広告表現に詳しい専門家に確認いただくのが確実です。

  • Q. 撮った写真は、誰がどうチェックすればいい?

    A. まずは院内で、実際の雰囲気と写真に大きな差がないかを確認いただくのがおすすめです。表現に不安がある場合は、広告に詳しい専門家や自治体の窓口に相談する方法もあります。カメラマンとしては、実物と大きく変わらない写真をお渡しすることが、一番のお手伝いだと思っています。

4. 撮影の段階でカメラマンができる工夫

クリニック撮影の計画を立てている様子

医療広告ガイドラインへの対応は、撮影後の加工だけで解決しようとすると難しくなりがちです。撮影の段階でいくつか工夫しておくことで、後から悩む場面を減らせます。

1
自然光のようなライティング+院内照明を活かした撮影を心がける
過度なライティングや強い加工に頼らなくても、自然光に見える光になるように照明を組む且つ院内の照明を活かすことで、清潔感がありつつ実物に近い写真に仕上げやすくなります。
2
誇張しない構図を意識する
超広角での撮影は院内を実際より広く見せてしまうことがあるため、用途に応じてレンズや構図を選び、実際の広さ・雰囲気に近い一枚を用意します。
3
複数カットから選べるようにする

1カットだけで判断するのではなく、複数の候補カットをお渡しすることで、院内で「実物の印象に近いか」を確認しながら選んでいただけます。

江藤耕治
「どの写真がホームページに合うか」だけでなく、「実物の印象と離れすぎていないか」も一緒に確認しながら選んでいただけると、より安心して使っていただけると思います。
4
気になる表現は、撮影前に相談する
ビフォーアフター写真や、他院との比較を連想させる見せ方を検討している場合は、撮影前にご相談ください。写真の撮り方の面から、できる工夫を一緒に考えます。(ご依頼前の準備についてはこちらのページにもまとめています)
江藤耕治
少し堅めの内容になりましたが、医療広告ガイドラインは「クリニックらしさを隠すためのルール」ではなく、患者様との信頼関係を守るためのものだと僕は捉えています。
写真の見せ方で迷ったときは、遠慮なくご相談ください。撮影の工夫でお手伝いできることは、僕なりに一緒に考えさせていただきます。最終的な表現の可否については、厚生労働省の情報や専門家への確認もあわせてお願いします。
江藤耕治
「この写真の見せ方、大丈夫かな?」
と思ったら。

クリニック・病院の撮影、コーポレート撮影、ビジネスポートレートまで。
アナタテラスでは、撮影の工夫や見せ方のご相談にも、できる範囲で柔軟に対応いたします。
まずは「相談だけ」でも構いません。
貴院の魅力が安心して伝わる撮影を、一緒に考えてみませんか?

江藤に直接相談してみる(無料) アナタテラス公式サイトはこちら
江藤耕治

フォトグラファー/代表

https://www.anatatelas.com/kozi-etoh
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