撮影で一番大事なのは「整理整頓・清掃」です|現役カメラマンが教える会社・クリニック撮影前チェックリスト

オフィス撮影前の整理整頓例:ケーブルが乱雑なデスク(Before)とすっきり片付いたデスク(After)の比較
コーポレート撮影カメラマン 江藤耕治
こんにちは、アナタテラスの江藤です!会社のコーポレート撮影や、病院・クリニックの撮影を専門でカメラマンをしています。撮影続きでブログを全く更新出来ていませんでした。。!
さて、今回の記事は、写真の仕上がりを一番左右するのは、実は特別な機材ではなく撮影前の整理整頓・清掃というお話です。今日は、なぜそれが大事なのか、具体的に何を・どう片付ければいいのかを、決定版としてまとめてお話しします。
この記事のまとめ

ホームページや採用ページに使うコーポレート撮影、病院・クリニックの撮影、役員・士業の方のビジネスポートレート。その仕上がりを大きく左右するのは、カメラやライトよりも撮影場所の整理整頓・清掃です。本記事では、なぜ整理整頓・清掃が撮影で一番大事なのか、撮影前にチェックすべき場所と具体的な片付けリスト、見落としがちな配線・ケーブルの整え方、片付けに迷ったときの考え方、そして撮影日までの準備スケジュールを、現役の出張カメラマンがまとめて解説します。

1. なぜ整理整頓・清掃が撮影で一番大事なのか

「写真はプロのカメラマンが綺麗にしてくれるもの」と思われがちですが、カメラは目の前にあるものをそのまま写します。会社撮影でもクリニック撮影でも、整っていない場所を綺麗に見せる魔法はありません。理由を3つに分けて見ていきましょう。(コーポレート撮影全体の準備についてはコーポレート撮影のページもあわせてご覧ください)

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カメラは「肉眼以上」に写してしまう

高画素のカメラとライティングは、普段気にならない汚れまで浮かび上がらせます。

✔ 整っていると
  • ライトの光が綺麗に回り、オフィスや院内全体が明るく清潔に見える。
  • 背景がすっきりして、ビジネスポートレートの表情が主役になる。
× 整っていないと
  • ホコリ、指紋、床の髪の毛、ガラスの拭きムラが光で目立つ。
  • 背景がごちゃつき、人物が埋もれてしまう。
江藤耕治
ホームページの写真は、スマホで拡大して見られることも多いです。「肉眼では気にならなかったのに、写真だとすごく目立つ…」というのは本当によくある話なんです。
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当日の撮影時間が片付けで削られる

撮影当日に片付けを始めると、その分だけ撮影できる時間が減ってしまいます。

✔ 整っていると
  • カメラマンが到着後すぐに照明・三脚のセッティングに入れる。
  • 空いた時間で追加のビジネスポートレートやイメージカットが撮れる。
× 整っていないと
  • 出演する社員様・スタッフ様の待ち時間が増え、表情が疲れてくる。
  • 予定していたカットが撮りきれない可能性がある。
江藤耕治
撮影時間は限られています。片付けの時間を良い表情を引き出す時間に回せるかどうかで、仕上がりは大きく変わりますよ。短時間の撮影プランほど、この差がはっきり出ます。

2. 撮影前に必ずチェックしたい場所

「全部を完璧に」は大変なので、写真に写りやすく、目立ちやすい場所から優先的に整えていきましょう。会社のオフィス撮影でも、病院・クリニックの撮影でも、基本の考え方は同じです。

  • デスク周り(オフィス風景・業務風景の撮影)

    書類の山、飲みかけのペットボトル、ティッシュ箱、付箋だらけのモニター、椅子に掛けたままの上着は、写真に写ると一気に生活感が出ます。撮影で使うデスクは一度何も置いていない状態にして、必要なものだけを戻すくらいがちょうど良いです。

    片付け後の整ったオフィスデスクの様子 片付け前の散らかったオフィスデスクの様子
    ↔
    Before After
  • 壁・掲示物・ホワイトボード

    古いポスター、社内向けの貼り紙、ホワイトボードの書き込みは、情報漏洩の面でも要注意です。ホワイトボードは消すだけでなく、消し跡が残らないようクリーナーで拭いておくと安心です。

    片付け後のすっきりした壁とホワイトボードの様子 貼り紙やポスターが多い状態のオフィスの壁とホワイトボード
    ↔
    Before After
  • 目立つ小物・仕事上使わない置き物・お祝いのお花

    キャラクターグッズや装飾性の強い置き物は、会社の雰囲気と合わない印象を与えることがあります。また、開業・移転のお祝いで頂いたお花も、色や形が目立つため、写真の中では想像以上に主張してしまいます。撮影のカットに入らない場所へ、一時的に移動しておきましょう。

    片付け後の小物が整理された廊下の様子 廊下や共有スペースに小物・装飾品が目立つオフィスの様子
    ↔
    Before After
    江藤耕治
    お花は華やかで良いものなのですが、写真だと主役の方より目立ってしまうことがあるんです。
  • 窓ガラス・鏡・金属・モニターまわり

    ライトを当てると指紋や拭きムラがはっきり浮かびます。ドアノブ、受付カウンター、医療機器など光る素材も拭いておくと安心です。全身写真や引きの写真では、床に這う配線や段ボール、ゴミ箱も目立ちやすいポイントです。

    片付け後のすっきりした床の様子 床に配線や段ボールが放置された片付け前のオフィスの様子
    ↔
    Before After
  • 受付・エントランス・観葉植物

    会社や医療機関の「顔」になる場所です。傘立て、郵便物、宅配の段ボールなどは、撮影時だけでも別の場所へ移動しておきましょう。観葉植物は、枯れた葉やホコリをかぶったままだとマイナス印象になるので、元気な状態に整えておくと良いアクセントになります。

  • (病院・クリニックの場合)診察室・電子カルテ・医療広告としての注意点

    診察室・処置室・診療台のまわりは、指紋や水跡、使用済みの器具、消耗品の箱などをあらかじめ片付けておきましょう。電子カルテやモニター、予約表は、患者様の個人情報が写り込まないよう、電源を切るかダミー画面を表示しておくと安心です。
    また、病院・クリニックのホームページは医療広告ガイドラインの対象になる場合があります。院内を実際より大きく見せる、実物と違う印象を与えるといった過度な加工は避けるべきとされているため、レタッチに頼らず撮影前に実物を整えておくことが大切です。詳しくは厚生労働省の医療広告ガイドラインなど、公的な情報源でご確認ください。

    江藤耕治
    クリニックの撮影では、清潔感がそのまま「安心感」として患者様に伝わります。窓ガラスの映り込みなど光の扱いが難しい場面もありますが、そこはカメラマンの腕の見せどころなので、まずは清潔に整えておくことだけ意識していただければ大丈夫ですよ。

会社撮影・クリニック撮影 事前チェックまとめ

場所主なチェックポイント優先度
デスク周り書類・私物・飲み物・付箋◎
壁・ホワイトボード掲示物・書き込み・機密情報◎
カルテ・モニター(医療機関)患者様の個人情報◎
診察室・医療機器指紋・水跡・使用済み器具◎
窓・鏡・金属指紋・拭きムラ・反射◯
配線・ケーブル絡まり・床の垂れ◯
受付・待合室郵便物・パンフレット・スリッパ◯
植物・小物枯れ葉・ホコリ△

3. 配線・ケーブルと「片付けに迷うもの」への考え方

ここでは、デスクまわりで特に見落とされやすい配線・ケーブルの整え方と、撮影のご相談でよく聞かれる2つの質問についてお答えします。

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ケーブルは「多いほど」写真で目立つ

1本だけならあまり気にならなくても、複数本が絡まっていると一気に雑然とした印象になります。

✔ 整えておくと
  • デスク周りがすっきりして、仕事風景の写真に集中感が出る。
  • 採用ページの「働く環境」の写真としても、清潔で整った印象を与えられる。
× 絡まったままだと
  • 床やデスク下に垂れたケーブルが、引きの写真で目立つ。
  • モニターやPC本体まわりが雑然として見えてしまう。
  • できる範囲でケーブルをまとめる・隠す

    結束バンドやケーブルボックスを使って配線をまとめるだけでも、印象はかなり変わります。デスクの裏や足元に沿わせるように配線し、見える範囲のケーブル本数を減らしておきましょう。

  • 可能であれば有線マウスを無線マウスに

    マウスのケーブルは、手元に近い場所にあるため写真に写りやすいポイントです。買い替えが難しい場合は、撮影のカットに入らない位置にケーブルを逃がしておくだけでも効果があります。

  • Q. 片付けたほうがいいか分からない物は、どうすればいい?

    A. 迷ったら、とりあえず片付けておくことをおすすめします。撮影当日、カメラマンが到着してから「これは動かしても大丈夫ですか?」と確認するには、その分の確認時間が必要です。さらに、片付けが必要だと分かれば、そこから片付けの時間もかかります。結果として、撮影に使える時間が減ってしまう可能性が高くなります。事前に片付けておけば、当日は元に戻すかどうかだけを考えればよいので、判断がシンプルになります。

  • Q. レンズのボケで何とかならない?

    A. 物との距離が十分に離れていれば、ボケの効果で気にならなくなる場合もあります。ただし、色や形が目立つものは、多少ボケていても「何かがある」ことが分かってしまい、かえって不自然な印象になることがあります。ボケに頼るかどうかはカメラマンの判断にもよりますが、基本的には撮影前に片付けておくほうが、仕上がりは安定します。

江藤耕治
確認する時間も片付ける時間も、実は撮影時間そのものです。迷ったときは片付ける側に倒しておくと、当日の進行がぐっとスムーズになりますよ。

4. 撮影日までの片付けスケジュール

前日に慌てて片付けるより、少しずつ進めた方が社員様・スタッフ様の負担も少なく済みます。

1
撮影場所と「写る範囲」を決める
ロケハンや打ち合わせの際に、カメラマンとどこで撮るか、どの方向から撮るかを確認します。写る範囲がわかれば、片付ける場所を絞り込めます。(ご依頼前の準備についてはこちらのページにもまとめています)
2
1週間前:不要なものを撤去する
古い掲示物、使っていない備品、段ボールなど「そもそも要らないもの」を処分・移動します。大きなものはこのタイミングで済ませておきましょう。
3
前日:社内・院内アナウンスと拭き掃除

出演する社員様・スタッフ様に「デスクの私物を片付けておいてください」と一声かけておきます。窓ガラスや光る素材の拭き掃除もこのタイミングがおすすめです。

江藤耕治
当日の朝に拭き掃除をすると、乾ききらずに拭きムラが残ることがあります。ガラスや鏡は前日に済ませておくのがコツです。
4
当日:カメラマンと最終確認
撮影前にカメラマンと一緒に撮影場所を見回り、気になるものがあればその場で移動します。完璧でなくても大丈夫。気になる点はカメラマンに相談してください。(当日の流れはご依頼から納品までをご覧ください)
江藤耕治
ここまで読んで「うちのオフィス(院内)、大丈夫かな…」と思った方もいるかもしれませんが、安心してください。僕も撮影前に写り込みのチェックは必ずしますし、角度や構図の工夫でカバーできることもたくさんあります。
ただ、事前に整えていただけると、その分の時間を良い表情を引き出すことに使えるんです。整理整頓は、カメラマンへの一番のプレゼントかもしれません(笑)
江藤耕治
「撮影前の準備、何から始めればいいの?」
と思ったら。

会社のコーポレート撮影、病院・クリニックの撮影、役員・士業の方のビジネスポートレートまで。
アナタテラスでは、撮影だけでなく事前のロケハンや準備のご相談から柔軟にサポートいたします。
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江藤耕治

フォトグラファー/代表

https://www.anatatelas.com/kozi-etoh
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【第1話】「センスがない」と言われ続けた僕がプロカメラマンになる原点。 初めてのカメラと経理時代。