【香盤表の作り方】企業のホームページ撮影で失敗しない撮影スケジュールの組み方

失敗しない香盤表の作り方。撮影当日の流れを香盤表で確認するカメラマンと企業のご担当者
江藤耕治
こんにちは、アナタテラスの江藤です!
ホームページの制作やリニューアルで、社員の方のプロフィール写真やオフィスの風景をまとめて撮影する機会は多いと思います。
そんな撮影の成功を大きく左右するのが、撮影の時間割である「香盤表(こうばんひょう)」です。今回は、カメラマンとして実際に困った香盤表の例も交えながら、撮影がスムーズに進む香盤表の作り方をお話しします。
この記事のまとめ

香盤表とは、「いつ・どこで・誰を・何を撮るか」をまとめた撮影の時間割です。3時間を超える撮影では、香盤表がないと現場で「次は何を撮りますか?」と止まってしまいがちです。香盤表を作るときに大切なのは、撮影そのものの時間だけでなく、「準備時間」「移動時間」「休憩時間」「予備時間」の4つを必ず入れること。そして、完成したら撮影の前にカメラマンに確認してもらうことです。本記事では、よくある失敗例と見直し例、忘れられがちな4つの時間、スムーズな撮影につながる香盤表づくりの進め方を、出張専門カメラマンの立場から解説します。

1. 香盤表とは?どんな撮影で必要になる?

時間ごとに撮影内容を書き込んだ香盤表と、撮影カットの一覧表

香盤表とは、撮影当日の「いつ・どこで・誰を・何を撮るか」を時間ごとにまとめた表のことです。もともとは舞台やテレビの現場で使われてきた言葉で、撮影の現場では「タイムテーブル」と呼ばれることもあります。

企業の撮影では、広報部のご担当者さまや、ホームページを制作するデザイナーさんが作ってくださることが多いです。

⏱️

香盤表が必要かどうかの目安

撮影時間の長さで考えると分かりやすいです。

✔ 1〜2時間ほどの撮影
  • 撮る内容が少ないので、香盤表がなくても問題なく進むことがほとんどです。
  • 撮りたいカットの一覧があれば十分です。
× 3時間を超える撮影
  • 香盤表がないと、だいたい途中で詰まります。
  • ご担当者さまからカメラマンへ、カメラマンからご担当者さまへ「次は何を撮ったら良いですかね?」と聞き合う時間が生まれてしまいます。
江藤耕治
長い撮影ほど、撮影される社員の方の予定や場所の空き状況など、決めておくことが増えます。撮影の途中で止まってしまう時間は、そのまま撮影できる時間が減ることなので、3時間を超える撮影ならぜひ香盤表を作っておきましょう。

2. カメラマンが困る香盤表と、見直した香盤表

オフィスでご担当者が作った香盤表をカメラマンと一緒に確認している様子

実際に僕が受け取ったことのある香盤表の中で、特に困ったのがこのような時間割です。

時間内容
13:00カメラマン到着
13:00〜Aさん撮影開始
13:05〜(別の場所で)Bさん撮影開始
13:10〜(さらに別の場所で)Cさん撮影開始

到着したその瞬間から撮影が始まり、5分ごとに別の場所へ移っていく予定になっています。これでは、

  • ライトのセッティングができない

    機材を運び込んで、ライトを組む時間がありません。

  • テスト撮影すらできない

    明るさや色を確認する時間がないまま、本番を撮ることになります。

  • 場所を移る時間がない

    別の場所で撮るなら、機材の片付け・移動・組み直しの時間が必要です。

  • 休憩が入っていない

    このような香盤表は、最後まで休憩時間が入っていないことも少なくありません。

同じ撮影でも、準備・移動・休憩・予備の時間を入れると、たとえば次のような香盤表になります。

時間内容
12:00〜カメラマン到着・搬入
12:10〜撮影準備
13:00〜13:10Aさん撮影
13:10〜13:15Bさんの撮影場所へ移動
13:15〜13:25Bさん撮影
13:25〜13:30Cさんの撮影場所へ移動
︙︙
15:00〜15:20小休憩
15:20〜15:30撮影場所へ移動
15:30〜撮影再開(Hさん・Iさん・Jさんは同じ場所で撮影のため、1人10分で計算)
16:00撮影終了・片付け
16:30〜カメラマン撤収

このように"余裕"を見て撮影時間を組んでいる撮影は、ご担当者さまとカメラマンのお互いが安心できます。

江藤耕治
ポイントは、同じ場所で撮れるものはまとめて撮ることです。人ごとに場所を変えるのではなく、場所ごとに撮る人や内容をまとめると、移動とセッティングの回数が減り、そのぶん撮影に時間を使えます。

3. 香盤表に必ず入れたい4つの時間

撮影機材をカートに載せてオフィス内の次の撮影場所へ移動するカメラマン

カメラマンとして特に困るのが、撮影そのもの以外の時間がまったく考えられていない香盤表です。次の4つの時間は、必ず入れておきましょう。

  • ① 準備時間

    機材の搬入、ライトのセッティング、テスト撮影の時間です。カメラマンが到着してすぐに撮影が始められるわけではありません。準備時間に何分かかるかは、事前にカメラマンに確認しましょう。

  • ② 移動時間

    撮影場所を変えるときの、機材の片付け・移動・組み直しの時間です。同じフロア内の移動でも、ライトを使う撮影では意外と時間がかかります。

  • ③ 休憩時間

    撮影するカメラマンやアシスタントはもちろん、ご担当者さまのための時間でもあります。長い撮影ほど、集中力を保つために欠かせませんし、休憩なしの撮影では"事故"や"トラブル"が必ず起きます。休憩時間は必ず入れてください。

  • ④ 予備時間

    撮影される方の到着が遅れた、会議が延びた、撮り直しが必要になった、ということは撮影の現場ではよく起こります。少し余裕を持たせておくと、後ろの予定に響きにくくなります。

江藤耕治
休憩時間がまったく入っていない香盤表を受け取ったときは、さすがに事故につながるので、撮影を止めて「我々も人間なので、休憩はこちらで入れさせていただきます」とお伝えして休憩を入れています。重い機材を扱う仕事なので、疲れは思わぬケガにつながります。休憩は「あったらいいもの」ではなく、安全に撮影を終えるために必要な時間なんです。

4. 撮影がスムーズに進む香盤表づくりの流れ

広報担当者どうしで撮影スケジュール表を確認しながら香盤表を作っている様子

撮影がうまくいく現場のご担当者さまは、香盤表を事前に作って、時間配分・内容・書き方に問題がないかをカメラマンと念入りに確認してくださいます。反対に、カメラマンへの確認がないまま、撮影の前日に初めて香盤表が届く、しかも時間配分が「これは無理だろう」と思うものだった、ということもあります。

おすすめの進め方は、次のような流れです。

1
撮りたいものを書き出す
ホームページのどのページに、どんな写真が必要かを書き出します。社員のプロフィール写真、仕事中の風景、オフィスの外観や内観など、使う場所から考えると漏れが少なくなります。
2
場所ごとにまとめて、時間を割り振る
撮影する場所ごとに内容をまとめ、準備・移動・休憩・予備の4つの時間を入れながら時間割を組みます。撮影される方のご予定もこの段階で確認しておきましょう。
3
撮影の前にカメラマンに確認してもらう
できあがった香盤表は、撮影日に余裕をもってカメラマンに送り、時間配分に無理がないかを確認してもらいます。カメラマン側からの提案で、撮る順番を入れ替えるだけでぐっと楽になることもあります。
4
確定版を関係者全員に共有する
撮影される社員の方、立ち会う方、カメラマンなど、関係者全員に同じ香盤表を共有しておくと、当日の集合や入れ替えがスムーズになります。

社員の方のプロフィール写真を撮る場合は、服装のルールも香盤表と一緒にお伝えしておくと安心です(ビジネスポートレートの服装・スーツ選び)。役員の方の撮影が含まれる場合は、役員・経営者のプロフィール写真で失敗しないための準備ガイドもあわせてご覧ください。

5. 分からないことは「分からない」と聞いて大丈夫です

撮影前にパソコンでやり取りしながら、香盤表についてカメラマンに相談するご担当者

香盤表を作るのが初めてで、「何分くらい見ておけばいいのか分からない」という方も多いと思います。そんなときに一番避けていただきたいのが、分からないまま、自分の予想だけで作ってしまうことです。

  • まずは調べてみる

    インターネットで「香盤表 書き方」などと調べると、考え方の参考になる情報が見つかります。今ならAIに相談してみるのもひとつの方法です。

  • それでも分からなければ、カメラマンに聞く

    準備にどれくらいかかるのか、移動にどれくらいかかるのかは、撮影するカメラマンが一番よく分かっています。遠慮せずに聞いてください。

江藤耕治
「分からない」と言っていただけるほうが、カメラマンとしてはずっと助かります。分からないまま作られた香盤表を前日に受け取るより、作る前に一言相談していただくほうが、撮影は確実にうまくいきます。香盤表は、ご担当者さまとカメラマンが一緒に作るものだと思っています。

オフィスでの撮影の進め方についてはオフィス撮影とスタジオ撮影、今選ぶならどっち?で、撮影時間ごとの費用の目安は料金ページでご確認いただけます。

江藤耕治
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
撮影当日がスムーズに進むかどうかは、実は撮影の前にほとんど決まっています。準備・移動・休憩・予備の4つの時間を入れて、撮影の前にカメラマンと確認する。それだけで、当日の撮影はぐっと楽になりますよ。
香盤表の作り方で迷ったら、作り始める前の段階でもお気軽にご相談ください。
江藤耕治
「撮影のスケジュール、
これで大丈夫?」と思ったら。

撮りたい写真や撮影場所、人数を伺って、
無理のない撮影スケジュールを一緒に考えます。
香盤表の確認や、撮る順番のご相談もお気軽にどうぞ。
まずは「相談だけ」でも構いません。

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江藤耕治

フォトグラファー/代表

https://www.anatatelas.com/kozi-etoh
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